2018.8  「ご先祖様に思いを馳せて」

父親の一周忌でのことでした。
我一族が、江戸時代に四国から広島の山奥にやってきたことは、祖父から聞いていましたが、
叔母が「おじいさんに、我が家は村上水軍と縁があると聞いたことがある。」と言うのです。
私は、一瞬、どきりとしました。
私が、警察官だったころ、初めての赴任地に因島を希望して、2年間勤めたことがあるのです。
警察学校の学生の頃、県警本部長との対談で、何となく因島という島に興味が湧いてきて「青い海と青い空が好きです。島で勤務したい」と語ったのです。
それが功を奏したのか、6年ぶりの新人警察官として因島に赴任することができました。
因島は、村上水軍の居城があった島です。
その水軍の家老職を務めていた子孫の村上さんという美しい女性が、警察署の安全協会の職員として勤めていました。
物静かで優しく美しく、まさにお姫様という女性でした。
因島に美人が多かったことは印象的です。
その村上さんも1年後には大阪に嫁いでいかれましたが、今もお元気でしょうか。
 
父親の一周忌が終わって、間がない、ある日の日曜日の早朝のことです。
新高円寺の駅近くにあったスマイル仏壇店に若い女性が一人でひょこりと入ってきました。
仏壇店を経営していると、まずはありえないことです。
どうやら祖父が亡くなって、祖父の供養をしたいという思いもあって、彼女自身も通りがかりにふらりと入ってきたようです。
小さな仏壇を見つけて気にいってくれたようで、仏壇と仏具一式を購入してくれることになりました。
契約書を書いていると、村上という姓なので、私の先祖が村上水軍と縁があるらしいという話をしました。
彼女の実家は新潟なので、村上水軍とは関係はないだろうということでその話は終わりました。
彼女は、大学生であり、劇団員であり、司法試験も目指しているという美しい女性でした。
彼女を見送って、10分位たったでしょうか。
彼女が、店に舞い戻ってきました。
「少し気になって、お父さんに電話したら、先祖は瀬戸内からやってきたと聞いている。たぶん村上水軍だったのだろうと言っていました。
お店の人によろしく伝えてくださいとのことです」
と言うのです。
 
本当に不思議ですね。
それだけではないのです。我師である紀野一義先生もご先祖が村上水軍とご縁があり、子供時分に村上姓の子供達にお世話になったことをお話しになったことがあります。
また、私の故郷は栗栖(クリス)という姓が日本で一番多い地域なのですが、数年前にわかったのですが、この栗栖の先祖は紀一族なのです。
紀野先生が旧制中学の頃、剣道部に栗栖君という同級生がいて、必ず朝出会うと「紀野さん、おはようございます」と丁寧に挨拶をしていたという話も覚えています。
栗栖君の先祖が紀一族であったことを、栗栖君はおそらくは知らなかったでしょう。
私の実家の親戚はほとんどが栗栖ですが、妙なところで、紀野先生とは深いご縁もあったのだと思います。
 
もっと不思議なことは、たくさんあるのですが、長くなるので、このくらいでやめておきます。
 
お盆の時期、ご先祖様のことに思いをはせて見るのもよろしいかと思います。
長い歴史の中では、どの家のご先祖様もいい時もあれば悪いときもあり、立派な人もいれば、恥ずかしくなるような人もいるでしょう。
そういったこともひっくるめて、ご先祖様には、感謝したいものです。
目には見えず、科学的にはわからない世界ですが、色々な縁があり、出会えただけでも、嬉しくなるようなご縁もあるものです。


因島の観光ルートとオススメスポット



 今は亡き、わが師(紀野一義先生)の教えです。
 いかに生きていけばよいのか、わからなくなったときのよりどころとしています。

   自誓
    一、心ひろびろと、さわやかに生きん。
    一、真理をもとめてひとすじに生きん。
    一、おおぜいの人々の幸せのために生きん。