2019.1月   「三惚れ(サンボレ)」


 去年の正月は、激しい頭痛で、一瞬このまま脳梗塞か何かで死んでしまうのかと思ったことを、つい先日のことのように思い出す。
 この頃は、なぜか10代20代の頃の友達や、先輩、上司のことを思い出すことが多い。
 私が19歳から24歳までの警察官であった頃、毎月1回署長訓示日があった。
 警備出動や訓練入校などで欠席することも多かったが、30回以上は署長訓示を聞いただろうか。
 でも、その内容はさっぱり覚えていない。
 ところが、たまたま次長(副署長)であった渡辺良文氏の代理の訓示は2回とも覚えているのである。
 その一つが三惚れ(サンボレ)である。
 渡辺次長の実家は広島の山間部にあるのだが、村の駐在所に新しく赴任してきた巡査が、畑で農作業をしていた老婦人に
「こんなに寂しくて不便なところに、よく住んでいらっしゃいますね。」
と声をかけたというのだ。
 その老婦人は、その村で生まれ、その村を愛して、その村で一生を終えていくのである。
 老婦人の心は、その巡査の言葉にひどく傷ついてしまったようである。
 その話しが、人の口から人へと伝わり、渡辺次長の耳にも入る。
 
 そして署長の代理での訓示で、昔から言われている言葉として「三惚れ」の話しをなさった。
 
 一、仕事に惚れる。
 二、土地に惚れる。
 三、女房に惚れる。(人に惚れる)
 
 読んで字のごとく、よけいな説明はしなくてもよいと思う。
 
 人間が生きていく上で大切なことは、そんなに難しい言葉で表現されているわけではない。
 ただ、そのことができているかどうか、時には、自分自身を点検してみることも大切だと思う。
 
 人の心に残る言葉。
 人の心に残る人。
 人の幸せを願っているような人の言葉は、人の心に残りもし、人を動かす力もあるものだ。
 
 渡辺良文次長は、警察署長の後、県警本部の刑事課長を最後に定年退職された。
 今も、ご健在なら90歳前後である。
 私は、時々、渡辺次長の顔と言葉を思い出す。
 仏教の祖師方やすぐれた仏教者の言葉にふれる機会も多いが、渡辺次長の姿と言葉も私の心に刻まれている。
 こんなお話しをすれば、渡辺次長の方はびっくりされるであろうが、人間というものは、見ていないようで見ており、見ているようで見ていないものである。 







 今は亡き、わが師(紀野一義先生)の教えです。
 いかに生きていけばよいのか、わからなくなったときのよりどころとしています。
   自誓
    一、心ひろびろと、さわやかに生きん。
    一、真理をもとめてひとすじに生きん。
    一、おおぜいの人々の幸せのために生きん。



このメールは、スマイル仏壇にてお買い物されたお客様にお送りしています。
 このメールが不要な方は、返信メールの先頭部分に「停止」「メール停止」「配信停止」とご記入いただきましたら、自動でも配信が停止します。
 配信停止希望にもかかわらず、メールが届く場合には、その旨ご連絡くださいませ。調査の上、配信停止させていただきます。

============================================================
スマイル仏壇株式会社  野田 吉治
166-0011 東京都杉並区梅里2-4-11 

フリーダイヤル  0120−1192−23 

TEL.03-6383-1321 FAX.03-5378-0210
E-mail : info-7@smile-stone.com
URL : http://www.smile-stone.com
当店サイトへのリンクやご紹介はご自由にどうぞ。(大歓迎です)

============================================================