2021.7   生老病死について(生まれる苦しみ) 

人間の大きな苦しみの最大の四つの苦しみが「生老病死」です。
生まれる苦しみ。
老いる苦しみ。
病気になる苦しみ。
死ぬ苦しみ。
 
老病死の三つは、誰にでもわかります。
しかし、生まれる苦しみは、ピンときませんね。
 
生む苦しみは、女性ならよくわかるでしょう。
生まれる苦しみは、記憶のない赤ちゃんだったから、誰も覚えていないということでしょうか。
 
 
それは、おそらくは、生まれる前は、ほとんどの人は、極楽浄土で生活をしており、その幸せな世界から「人間世界に生まれる」ことになり、その人間世界に生まれるということが非情な苦しみと恐怖だということではないかと思うのです。
もっとも人間世界とはいっても、人間に生まれ変わるのか、牛や馬、魚や虫なのか、草花なのかは定かではありません。
まあ、人間に生まれ変わったということは、ありがたいことなのかもしれません。
逆に、どうしようもないから、人間として苦しみ、少しは悟れということかもしれません。
 
仏教では、輪廻転生することを、今生でお終いにすることを強くすすめます。
生まれ変わることのないようにしなさいということです。
それは、今生で悟りのようなものを得ないといけないということでもあるようです。
 
死ねば、皆、極楽浄土で末永く幸せいっぱいというわけにはいかないのではないでしょうか。
いずれの生においてか、きちんと生きて、生きながら仏にならなければならないのかもしれません。
 
娑婆(しゃば)即(そく)寂光土(極楽浄土)といいます。
 
悟れば、この世は、そのまま、極楽浄土になるようです。
 
人間誰にも仏性がある、人間は本来、仏であるといいます。
 
心の奥の奥に、この仏性があり、こんな話しもどこか気になるのでは「ないでしょうか。




今は亡き、わが師(紀野一義先生)の教えです。
いかに生きていけばよいのか、わからなくなったときのよりどころとしています。

 

   自誓
    一、心ひろびろと、さわやかに生きん。
    一、真実をもとめてひとすじに生きん。
    一、おおぜいの人々の幸せのために生きん。