2022.1 自分自身を知るということ


 
良寛の漢詩の中に、「おのれの心を知れ」ということばが出てくる。
 
 
 たとい万巻の書物を読破したところで、真の言葉一つわきまえていることに劣る
 その真の言葉とはなにか、ありのままにおのれの心を知れということだ。
 
 
 
 デルフォイのアポロンの宮殿の奥に掲げられている、秘密の格言は、「汝自身を知れ」だ。
 
明治時代の浄土真宗の僧であり哲学者であり教育者であった清沢満之は、浄土三部経の中にある「自当知」(みずからを知れ)という言葉に出会い、以後、自分自身を知ることに一生をかけた人である。
その弟子の暁烏敏も自当知、(自分自身を知ること)(自分の心を知ること)に全力を尽くした人である。
 
私も最近、自分の心を見つめることが多くなった。
いかに自分をいつわっていることが多いことか。
いかに臆病者になっていることが多いことか。
もっと、勇気をもって、美しく生きることができないものか。
 
やはり一人、静かに自分のことを思うと、つくづく、自分が自分自身を見失い、嘘にまみれた、臆病な生き方をしてしまっていることが見えてきて、最近は、一生懸命、自分を励ましています。
何を恐れる、勇気をもって、やりたいことはやろう。
 
でも一歩間違えると、狂気の世界。
 
やはり大切なのは、大勢の人々の幸せを願う心です。
そのうえで、自分に正直に勇気をもって生きていきたい。
 
自分の本当の心をじっくり見つめたい。
そして、この心を美しい心に鍛えたい。
 
一人静かに、自分の心をながめて見ることは、大切なことのようです。
 
 
 
 
 

今は亡き、わが師(紀野一義先生)の教えです。
いかに生きていけばよいのか、わからなくなったときのよりどころとしています。

   自誓
    一、心ひろびろと、さわやかに生きん。
    一、真実をもとめてひとすじに生きん。
      一、おおぜいの人々の幸せのために生きん。