2022.2 常不軽菩薩(皆、いずれは仏になる)
 
 法華経の中に常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)という菩薩の話しが出てくる。
 この常不軽菩薩は、人に出会うと「あなたは、仏になる方です。決して、あなたのことを軽んじません」と礼拝した。
 いきなりこんなことを言われて、両手を合わせてお辞儀されたら、なんのことやらさっぱりわからない。
 言われて礼拝された方は、ただぽかんとするか、気味悪がって立ち去るか、短気で気性のはげしい人間は殴りかかったり、石を投げつけたりしたらしい。
 そんな時、常不軽菩薩は、いったん遠ざかり、また、遠くから「あなたは、仏になる方です。決して、あなたのことを軽んじません」とまた礼拝した。
 
 いいかげんにしてほしいと思う。
 何を根拠に、そんなことを言うのだろう。
 
 でも、「あなたは、仏になる方です・・・・」
 
 妙に、この言葉が印象に残る。
 わざわざ法華経の中の大事な一説として出てくるのだから、深い意味合いや教えがあるのだろう。
 
 お釈迦様の願いも、様々な如来の願いも衆生を救うことである。
 
 いつ仏になるかは、個人差があって、百万回位は生まれ変わらなければならない人もいるだろうが、いずれは仏になるということであろうかと思う。
 
 人間として生きていくことは、様々な苦悩がある。
 
 人間として生きながら、この苦悩が苦悩ではなくなるような生き方が仏になるための道だろうと思う。
 
 そのためには、自分というものに執着せずに、人々の幸せを心から願えるような人になることが大切なのだろうと思うのだが・・・・。
 
 
 

今は亡き、わが師(紀野一義先生)の教えです。
いかに生きていけばよいのか、わからなくなったときのよりどころとしています。

   自誓
    一、心ひろびろと、さわやかに生きん。
    一、真実をもとめてひとすじに生きん。
   一、おおぜいの人々の幸せのために生きん。