2024.4   臨死体験

 

 一度死んで生き返ったという話しは、耳にしたことはおありではないかと思う。

 アメリカの学者が、この臨死体験をした人の調査を行ったところ、いくつかの共通点があったそうである。

 一番目は、死後の世界が美しいということである。高く上昇していけばいくほど驚くほど美しい世界になり光に満ちた世界だそうである。

 二番目は、生き返ってみると、全ての人間が自分の親や子供兄弟のようにいとおしく感じるようになったということである。

 芥川龍之介は自殺したが、死ぬ前にはすべてが美しく感じられるようになったことを記している。

 あまり死後の世界が美しいと強調すると、死んでしまいたいほど苦しんいる人が、それなら死のうかと思って、さっさと死んでしまうかもしれないので、何ともいいがたい。

 キリスト教では自殺は、厳しく禁じられているようだ。

 仏教では、死ねとはいわないが、阿弥陀如来のもと、極楽浄土に行けるのだと思うと、死というものが喜びにもなりそうである。

 しかし、私たちは生きねばならない。自殺は、やはり逃避である。人間は、悩みや苦しみ悲しみの中で、人を愛し、安らかに幸せに生きていけるくらいまでに成長しなければ「ならない。

 それができるまで、人間は何度も何度も生まれ変わり、同じ悩みや苦しみ悲しみを受ける。

 悩み苦しみ悲しみが、悩み苦しみ悲しみでなくなるときに、この世に生きても永遠の幸せを得ることができるだろう。

 そして、そのとき、人間はもう人間世界に生まれ変わることはない。

 そうして、次なる美しい世界へと旅立つのだろう。

 さてさて、どんな世界やら・・・。

 

 

 

今は亡き、わが師(紀野一義先生)の教えです。
いかに生きていけばよいのか、わからなくなったときのよりどころとしています。

 自誓

   一、 心ひろびろと、さわやかに生きん。
   一、真実をもとめてひとすじに生きん。
   一、おおぜいの人々の幸せのために生きん。